昔と今




6年前に村上春樹の「ノルウェーの森 上下巻」を読んだが、


つい先日、再度読み返してみた。


昔よりも、掘り下げて、詳細に、そして面白く読む事ができた。



あの時にはわからなかった感情や人物描写が、じんじんと伝わってくるのがわかった。




これは、他の本にもあてはまるのかと思い、

13年前に興奮して読んだシドニーシェルダン(当時世界一本が売れていたと記憶している。)の「陰謀の日」を読んでみた。


だが、昔ほどの魅力は感じられなかった。


「ゲームの達人」や「真夜中は別の顔」などは中学生の時、めちゃめちゃ流行っていて、シドニーシェルダンの本は出版されるとすぐに読んでいたが、あの頃とは少し違う感覚が、心に残った。


シドニーシェルダンの本は、今で言うところのアメリカドラマ「24」のように壮快で、寝転がっても見れる。
そして村上春樹の本は、美味しい部位の霜降り肉を少量だけ味わうような、注意して読み解くような感覚。


しかしこれは、アメリカ人の本来持ち合わせる情緒と
日本人の、古来より培われた繊細な情緒(古池や 蛙飛び込む 水の音 のように)の違いかもしれない。



10年経ってみてわかること。20年経ってわかること。

時代によって理解されること、または批判されること。



普遍的な、感覚を得たい。