昔と今
つい先日、再度読み返してみた。
昔よりも、掘り下げて、詳細に、そして面白く読む事ができた。
あの時にはわからなかった感情や人物描写が、じんじんと伝わってくるのがわかった。
これは、他の本にもあてはまるのかと思い、
13年前に興奮して読んだシドニーシェルダン(当時世界一本が売れていたと記憶している。)の「陰謀の日」を読んでみた。
だが、昔ほどの魅力は感じられなかった。
「ゲームの達人」や「真夜中は別の顔」などは中学生の時、めちゃめちゃ流行っていて、シドニーシェルダンの本は出版されるとすぐに読んでいたが、あの頃とは少し違う感覚が、心に残った。
シドニーシェルダンの本は、今で言うところのアメリカドラマ「24」のように壮快で、寝転がっても見れる。
そして村上春樹の本は、美味しい部位の霜降り肉を少量だけ味わうような、注意して読み解くような感覚。
しかしこれは、アメリカ人の本来持ち合わせる情緒と
日本人の、古来より培われた繊細な情緒(古池や 蛙飛び込む 水の音 のように)の違いかもしれない。
10年経ってみてわかること。20年経ってわかること。
時代によって理解されること、または批判されること。
普遍的な、感覚を得たい。